バタフライの指導 (5)P.11


長時間バタフライからみた一般児童に対するリカバリー指導~

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『さいごに』

難題を攻略する上で必要な“思考の素”が備わっていないとバタフライのリカバリー習得途中で詰みます。どんなに素晴らしい配合や手順で味付けしても不揃いにカットしていたりアク抜きや臭みとりをしていなかったら不味い料理の完成です。バタフライ習得においても最初の下準備やひと手間は重要なのです。

また、指導する側が難題を攻略する気概を強く持ち続ける必要があります。「子供はみーんな、バタフライは腕が上がらない。それはパワーがないのだろう。きっとそうだろう。」このように、目の前の事実を固定されたものとして受け入れると眠っている子供の能力を引き出す事は出来ません。

私が若い頃に違和感を覚えたのは「なんでウチの子は両腕が水面上に上がらないのですか?」と質問した保護者に対して生徒の顔を見ながら「たくさん食べて、体を大きくして、もっとパワーをつけなきゃ」と上司が言っていました。運営的に見れば上手く質問の対応をしているのかもしれませんが、指導者目線からすると“棚上げの判断”が早い気がします。どうすれば今よりももっと上手くなるだろうか?!という気持ちを常に持ち続けないと、指導者が子供の限界を決めてしまう事になります。諦める・諦めないの判断はとても慎重に行うべきです。

 

・・・つづく(2024年4月頃に続きを投稿予定)

ご覧いただきありがとうございました。

千葉隆礼