バタフライの指導 (3-2)P.9

長時間バタフライからみた一般児童に対するリカバリー指導~

『効果的な練習』


③平泳ぎストローク
(常時顔上げ,ノビ無し,プルブイ有りor軽いバタ足)

1.バタフライのキャッチ動作習得をねらいとする。とにかく水の重さを感じて掻けるように。

2.掻き始めでは手のひらを外側に向け、内側に掻き込むにつれて手のひらの向きもやや内側となる。手のひらの面は動かす方向にしっかりと向ける。

3.腕の動作は前方から後方に動かすのはもちろんの事だが、↑2のように腕をねじる動きが体の浮上に有効。パチンカーの「パチンコ行く?!」の手の動きに似ている。
(※)千葉はパチンカーではありません。

4.この練習では“うねり”動作を伴わない。ノビも無し、プルブイの使用に慣れていない場合は代わりにバタ足をしても構わないが、キック動作が主体とならないように。テンポよく掻き進む。

5.まずは口が水面下に潜らないように5~10mを目指す。それがクリア出来たら徐々に距離をのばし、最終的には常に肩が水面上に出ることを目標とする。ただし、波の影響を受けるので、断続的に肩が水面上に出る状態が限界だと思う。


④陸上でバタフライストローク

1.所謂、両手S字ストロークからリカバリー動作までをスローモーションで行い、何度も反復練習する。慣れてきたら徐々にテンポを上げながら“ねらい”のフォームを崩さず練習する。この“スローモーション”と、徐々に“テンポを上げる”を何度も行き来して、無意識レベルで“ねらい”のフォームを習得するまで反復練習する。
(※)子供はどうしても早く腕を動かしがちなので、「ゆっくり」という指示が届かない場合は、具体的に1ストローク○○秒で、という指示を出す。スピード違反というワードを使うと子供は喜ぶ。

2.掻き始めは平泳ぎストローク、プッシュ動作では手首を徐々に反りながらㇵの字を描くように
*掻き始めは手首を少し倒し、プッシュ動作に向かって徐々に反るようにすると、常にプールの底に手のひらが向くようになる

3.プッシュ動作を行いながら両方の肩甲骨を中央に寄せる

4.リカバリー動作では力みがあっても良いのでしっかりと肘をのばす
*これに慣れたら不要な力みを抜く

5.リカバリー中の両腕はなるべく背中側で行う
*この時両手が腹側を通ってしまうとリカバリー途中で両腕が着水する動きとなる。始めは窮屈に感じるかもしれない。



⑤片手バタフライ

1.汎用性の高い練習なので、手足のタイミングや“うねり”動作など必要に応じて意識する箇所を変えながら練習する

2.両手バタフライが理想の動きに近づいたら(8mほど泳げるようになったら)、両手バタフライ,片手バタフライを1掻きずつ交互に行って泳ぐ
※片手・両手交互バタフライ

3.リカバリー動作が25m安定して出来るようになれば、今後はスイム中に体の一部が常に水面上に出るよう、レベルに応じて練習目的を変える
(第1キックで腰を、第1キック蹴り上げで両足のカカトを、第2キックの打ち下ろしに合わせて頭部が水面上に出るように)

 

・・・つづく