バタフライの指導 (2-3)P.4


長時間バタフライからみた一般児童に対するリカバリー指導~

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『指導の際の主なポイント』

①水泳は水を動かすスポーツ
②腕を主体としたクロール
③“うねり”は大きく、第2キックは蹴り幅を大きく
④リカバリーの軌道は水平にしない
⑤その他細かな部分は個々のオヨギに合わせてアドバイス
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②腕を主体としたクロール

…バタフライで体を浮上させる際は、両腕両足を同時に動かして水流を床に送り、その反作用で体を持ち上げます。そこで、人間は腕と足のどちらが器用な動きが出来るか?と考えます。その、答えは「腕」であると思います。なぜならば日常生活において自由自在の動きをしているのが腕であり、泳いでいる時にその動きを目で確認することも出来ます。また、クロールを例にとると長距離を泳ぐ際はバタ足をあまり使わず、腕主体で泳いだ方が疲れにくくなります。以上を加味した場合、運動が苦手な子供がバタフライ25mを達成するには腕主体のバタフライ習得が必要だと感じています。

ただし、腕で水をとらえて強い水流を生み出すには、それが出来うる腕の動きと反復練習が必要になります。クロールの段階から先を見据えた内容の反復練習をすることで、バタフライの段階に到達した時、なるべくスムーズに理想の動きとなるよう下地をつくります。ビギナーの段階から応用を見据えた基礎を身につける、という事ですね。ですが、クロール習得の段階から腕動作のレベルを上げるために、必然的にバタ足に割く時間を削減する必要があります。私が与えられた時間は月2~4時間ですので、常に何を選択するかに迫られます。蝶々バタフライ攻略の為には限られた時間の中で適切な選択を行う必要があります。

最後に、この記事で対象となる子供は「腕の筋力はさほど期待できない」と考えたほうが良いでしょう。そこでキーポイントとなるのが腕の掻きと同時に動かす「第2キック」の存在です。これは次に説明します。

 


・・・つづく