前回に続き水中ジャンプのお話です。
過去に私がスイミングスクール講師時代に保護者からのお問い合わせで「なぜ、水中ジャンプをやる必要があるの?」というものを多くいただきました。
今回は「なぜ水中ジャンプを練習する必要があるのか」その動作・練習目的についてお話します。
〈水中ジャンプ・ボビングジャンプの目的〉
■呼吸の練習■
(とても一言で言い表すことは出来ませんが・・・)
一言で言うと・・・(笑)
呼吸(吐く・吸う・とめる のコントロール)が出来るように
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です。
腕や足を動かしながら、自在に且つ自然に行います。最終的には無意識レベルで行います。
ボビングジャンプでは鼻から息を吐き(鼻ブクブク)、水面から顔を出したらタイミングよく口で空気を吸います。この練習をしながら水泳の呼吸法を体で覚えます。
*日常生活では無意識に行っておりますが、水泳において呼吸はとても大事です。陸上で走る際に分厚いマスクをつけると息苦しいですが、同じく水泳においても呼吸が上手くいかないとシンドイ泳ぎになります。水泳が苦手なお子さんは呼吸が上手くいっていないケースが多いです(スクールで認定合格されているお子さんも含む・・・出来ていないまま・見逃されて?合格をもらっているケースも・・・指導中に水中を見て確認をとっていない場合は要注意。呼吸と脱力(力加減)がクリア出来ていないとその先様々な泳法に挑戦したとしても苦しさからは脱出できません。)。
呼吸は無意識レベルで出来る・・・これが水泳において大切なことです。
■安全の確保■
特に幼児・小学生低学年など泳げないお子さんは、水中ジャンプが出来るとそれがプールでの移動手段になります。クロール等の泳法練習をする最中に(水を飲むなど)身の危険を感じたらボビングジャンプをして近くのコースロープ・プールサイド・プールフロア(プールの底上げをする台)・大人…などにつかまり安全を確保します。
水中ジャンプに慣れていないと「いざ」という時にパニックになって溺れてしまいます。いつでも、どこでも、どんな状況でも水中ジャンプが出来るようにします。
■水をとらえる■
ボビングジャンプで余裕をもって息継ぎをするには、息継ぎの際に両腕を大きく広げ水をグ~~っと下方に押さえるようにします。前回にも記しましたが、水を掻く方向によって体の動き方が少しずつ変わってきます。上から下に水を押さえるようにすると垂直に体が動き、少し後方に水を送ると体は前方に進みやすくなります。腕や手のひらで水を捉える“感覚”は文章ではなかなか表現しにくいですが、手のひらや腕でやさしく「グ~〜」と水の重さを感じながら動作します(動作としては比較的ゆっくりと両手で水を押さえます。決して「ピッ」と素早く動かしません)。
このように手のひらや腕で水をとらえる“感覚”を身につけてその後のクロールや他の泳ぎに活かします。
■腕と足と呼吸などの調和・コンビネーション■
水泳では4泳法とも 腕動作 ・ 足動作 ・ 呼吸動作 など、様々な動作を上手く調和させて泳ぎます。
おろそかにされがちですが、この各部分の組み合わせ・コンビネーションが大切です。例えるならば、ピアノの練習の際に左手の伴奏をマスターし、右手のメロディーをマスターし、それらをタイミング良く組み合わせる(音楽をされている方はお分かりだと思いますが、さらに呼吸法や強弱変化などもございますね)・・・そのような練習・上達過程と共通部分があります。
また、クロールを例にあげると腕動作を“ストローク”もしくは“プル”、足動作・バタ足を“キック”…そして腕・足動作・呼吸法などをあわせて“コンビネーション”と言います。
水泳という競技は様々な動作の組み合わせ・調和から成り立っています。この動作調和能力を難易度の低い水中ジャンプを練習することによって養います。
水中ジャンプ=
腕動作・・・(両手で水をおさえる)
+足動作・・・(軽いジャンプ)
+呼吸動作(ブクブクパァ)
ざっくりと…ですが、動作目的をお話しました。
次回へ・・・