Q&A 第3回

(2021年1月記事修正・再掲)

Q 子供の頃、クロールのウデの戻し動作で「肘は曲げる」って習ったけど・・・ウチの子・・・腕がのびている。それっていいの?

A クロールのウデの戻し動作を「リカバリー」と言いますが、肘が曲がったように戻すのをエルボーアップリカバリーと一般的に言います(意図して曲げるというよりも、実際には肘から先の力を抜いている)。私の考えですが・・・肘を曲げると腕を素早く戻せる利点があると思います。ですが肘を曲げる分最後まで掻くことがおろそかになり、水中での腕の動きが小さくなる傾向にあると思います。小学生の子供さんにとって今は発育の段階です。肘を適度に伸ばし、大きく掻いて腕の筋肉を刺激したほうが成長にとってベターな選択だと思います(特に一般泳者)。また、後のバタフライ習得を考えるとしたら腕を伸ばしたほうがバタフライリカバリーの習得が比較的容易いのではないでしょうか。(もちろん、どちらのリカバリーも間違いではありませんが、今は何を選択するか・・・あるいは何を目的とするか・・・という考えに基づき練習すべきだと思います。)


また、多く見受けられますが「この動きをせよ」という見た目の動きを伝える指導者は多く存在しますが、なぜその動きになるのか・・・ということを伝えていない、あるいは伝わっていない場合が非常に多い傾向にあると感じます。スイミングスクールの多くの指導者に見受けられる「市販書籍の内容のコピー&貼付け」「マニュアル指導」は本来の意味での”指導”と呼ぶことは出来ないはずです。「肘は曲げる」と教えていただいた指導者に「なぜ曲げるのですか?」と聞いてみましょう。また、逆の場合は「なぜ、のばすのですか?」と聞いてみましょう。ここで生徒の質問に答えられないor言葉を濁すor指示内容を暗に強要する場合は特に何の“ねらい”も無い指導者風を装うパフォーマンスだということでしょう。「自分が子供の頃にこういう指導を受けた」「上司や先輩がこう言ってた」「市販の本に書いてあった」…など、パフォーマンスの裏側には言葉の表面部分のみの「コピー&貼り付け」が隠れているかもしれません。

Q スイミングスクールで水中ジャンプ・ボビングジャンプがあるけど、それに何の意味があるの?

A ひとつは自力での安全の確保だと思っております。特に、幼児・小学校低学年でプールの底に足がつかないお子さんは水中ジャンプをすることで自分の身を守ることが出来ます。また、呼吸動作の習得も目的の1つと言えます。習得できるとお子さんにとって楽しい動作となるようです。充分に泳げるのに水中ジャンプ・ボビングジャンプをやりたがるお子さんはとても多いです。
*水中ジャンプについての詳細は私千葉のブログページを参照下さい。こちら

執筆
水泳 個別指導 京都・滋賀
代表:千葉

Q&A 第2回

(2021年1月記事修正・再掲)

Q 水泳が出来るようになったら何が出来る?水泳を習うことにどんな意味があるの?

 

A.個人種目のスポーツが出来るようになります。

団体スポーツは仲間が集まらないと出来ませんが、水泳は一人っきりでも出来ます。人と予定を合わせることも必要ありません。大人になった時にも手軽に楽しむことが出来、ゆったり泳ぐ技術があれば陸上では得られない気持ち良い感覚を味わえ、リラックスや気分転換をすることが出来ます。また、プールにはフィットネスジムが併設されている場合がございますので、ジムやスタジオレッスンの後にプールで汗を流すことも出来ます。

 

 

A.学校授業が楽しめる

中学校までのほとんどの学校が水泳授業を行っていますが、授業時間が充分でない学校もあります。泳げる実力がつくかどうかは、ほぼスイミングスクール任せと言っても過言ではありません。また、当教室の定期レッスン生は「まずはラクに泳げるように」を主としております。ラクに泳ぐ技術が身につけば水泳への不安感がなくなるどころか、陸上では得られない快感を味わえ楽しさを感じるようになります。スキーを滑って「気持ち良い!!」という感覚に似ているかもしれませんね。

 

A.水に関する他のスポーツに挑戦出来るようになります。

1:競泳
2:水球
3:アーティスティックスイミング
4:日本泳法
5:飛び込み
6:OWS(長距離)
7:トライアスロン
8:ダンススイミング
9:サーフィン・ダイビングなど
10:ライフセービング
11:フィンスイミング
・・・等 たくさんありますね。

大人になってマリンスポーツなんか楽しめたらいいですね。水泳は技能スポーツです。子供のうちから練習しましょう♪

 

A.陸上では味わえない感覚・快感を得ることが出来る

水の中はまさに、日常とは異世界・・・まずは、道具を使っても良いので、プカプカ浮いてみましょう。水の中で体が軽くなりましたか?次は、水の音を聞いてみましょう。お友達と潜っておしゃべりできるかな?何を言っているのか当てっこしましょう。水の波や泡・しぶきで遊んでみましょう。ビート板を水の中に立たせて持ち、力いっぱい押すと大きな波が出来ますよ。まるで海のようです。水しぶきで大雨を降らせましょう。両手で水鉄砲が出来ますか?片手でも出来ますよ。泡でバブルリングがつくれますか?シロイルカの「幸せのバブルリング」はヒトでもつくることが出来ますよ。
*水の中は呼吸が出来ません。水は人間にとって死の世界とも密着していますが、陸上にない無限の遊びがそこにあります。

 

 

A.水泳は怪我が少なく、歳をとっても泳げる。

水泳は転倒がなく基本的に怪我の少ないスポーツです。一生涯楽しめる”生涯スポーツ”とも言えるでしょう。また、多くのプールには水中歩行レーンもありますので、年を重ねても水中運動が出来ます。水中歩行は浮力の関係から膝への負担が少ないというのも特徴の1つです。ヒザの悪いお年寄りは水泳が向いています。特に少年少女時代に水泳を習得されたお年寄りは足腰が悪くなって陸上運動が困難になっても、水泳でスポーツを楽しんでおられる方が多いです。水泳での怪我・事故の多いケースとしては、プールサイド(滑りやすい)とプールサイドに上がる時(手が滑りアゴを打ちやすい),逆飛込み,クイックターン,対向泳者との接触などです。

 

A.スポーツにおける技術の大切さを痛感できる

 多くのお子さんはスポーツにおいて「頑張る=ガムシャラに体をたくさん動かす」と思っているのではないでしょうか?水泳はパワーよりも技術面がオヨギに影響を及ぼすスポーツです。幼児でも技術が身に付くと水泳を習っていない大人のスピードに勝ることも可能です(スイムレコードというサイトを参照)。 
 水泳は力づくでは泳げません。呼吸・力加減・腕の動き・足の動き・体の動き・・・それら別々の動きを調和させて泳ぎます。また、腕や足・体の動き・・・それぞれに水を扱うテクニックがあり、それらのレベルを上げると子供で非力でも大人の水泳レベルを超えるほどの実力が身につきます。「親超え」を果たすと子供にとって大変自信になるようです。水泳は力づくでは上手く泳げませんので、水泳を習っていると「スポーツには技術が必要だ」ということを理解しやすいと思います。他のスポーツに挑戦する際にも力づくではなく頭をつかってどのような技術が必要なのか考えることが出来るようになるとおもいます。

Q&A 第1回

(2021年1月記事修正・再掲)

以下、子供の泳ぎ方について親御さんから頻繁にいただく質問に答えてみました。すべての方に当てはまることではありませんが・・・よろしければどうぞご参考下さい。

Q クロールの時に上を向くけど・・・それでも良いの?

A 25m泳ぎきる・・・ということが「最初の目標」でしたら、ひとまず良いのではないでしょうか。あくまでもひとまずです。何事も段階というものがあります。もちろん25m泳げたからと終わりではなく他の動作の練習をしながらコンパクトな息継ぎが出来るようフォーム改善を行っていきましょう。

Q なぜウチの子はクロールの時に上を向くの?

A 上を向くと口がしっかりと水面上に出やすいです。しっかりと口が出る分、息継ぎの時間が若干長くなります。つまり空気の交換時間が長くなり息継ぎに余裕が持てます。また、口がしっかりと水面上に出る分、周りからの波の影響も受けにくく、多少波が立っていても水を飲みにくいということも考えられます。
 水中でのバランスの問題もあると思います。皆さんは「横向きの姿勢(息つぎ時の姿勢)」と「仰向け姿勢」どちらがバランスをとりやすいですか?プールに行ってクロール息継ぎ姿勢のように「横向きのけのび(*)」と背泳のように「仰向けでけのび」どちらもやってみましょう。「仰向けでけのび」の方が体のバランスをとりやすいのではないでしょうか?このことから子供さんも横向きの姿勢をとるのが難しいのだと思います。
(*)バタ足はしません。

Q じゃあ、どうしたらクロールで上を向かず、横を向いて息つぎ出来るようになるの?

A 練習です。
 
 目指している動作へのアプローチの例ですが・・・まずは、横を向いた状態でバタ足をし、姿勢が安定するように練習します。コレが出来ればビート板等を使って片手クロールをしてみましょう。水面を目で追えるくらいゆっくりと体をローリング(息継ぎのために体を開く)しましょう。水面をゆっくりと目で追うことが出来れば水面ギリギリで息継ぎをするタイミングを目で計ることが出来ると思います。息継ぎの時にちょうど下側の目(ゴーグル)が若干水に浸かるくらいまで体を開いていきます(体が90度以上開くと仰向け姿勢に近づきます)。
 また、息継ぎの際に先手(前に伸ばしている手・または掻いていない方の手)が息つぎ側へ大きく動いているケース*が多いです。このような状態ですと体は仰向けのように開きやすくなるでしょう。
*右側で息継ぎをする場合、左手が右側に大きく動いている