『大人超え』を目指す!!1/3

執筆:千葉

世のお子さんは様々なスポーツを習っています。小学生の場合であれば、スポーツの種類によっては競技未経験の親と勝負しても力や体格の差で負けてしまうでしょう。ですが、水泳は正しく練習すれば子供が大人に勝てるチャンスのあるスポーツです。水泳は力づくで運動するスポーツでは無く「ワザのスポーツ」だからです。水泳はパワーやスタミナももちろん必要ですが、週1通いのお子さんでも技術さえ身につけば1000m遠泳・立ち泳ぎ・横泳ぎが出来るようになります。上記の泳力を有している教室の生徒のほとんどは家族の中で一番水泳が上手く、小学校の高学年ですでに“親越え”を成し遂げています。このことから水泳はワザのスポーツと言い切って良いほどの特性を持っています。

小さな子供でも月4回の練習をコツコツ続けて技術さえ身につけば、クロール長距離や立泳ぎの様に、一般的な大人が出来ない事を身につけることが出来ます。さらに言うと一般的なスイミングスクールのコーチのレベルを超えるケースもあります(*)。当教室の定期レッスン生の裏テーマの一つは『大人超え』です。それを成し得るには子ども自身が正確なオヨギの知識を自分の言葉で身に付け、それを意識しながら適切な練習を行うことが必要です。
(*)特に選手未経験の学生アルバイトコーチや主婦のパートコーチなど

指導の際に「頭を入れる」「腕を大きくまわす」「足の裏で蹴る」…など見たままのフォームを伝えることも必要ですが、「なぜ、頭を入れるのか」「なぜ、足首を曲げるのか(平泳ぎ)」など『なぜ!?』そのような動きが必要か・その動きにどんな意味があるのかをレッスン内で伝えるようにしています。水をどのように扱い、体をどのように動かせば理想のオヨギとなるか、受講生自身が理解し、目的を持って泳げるよう日々指導しております。

・・・続く・・・

『認定について』〜4/4〜

執筆:千葉

・・・前回の続き・・・

数年前の話ですが当教室の講師採用実技・面接試験で「〇〇スイミングスクールで1級とりました!ジュニア選手もしていました!」というアピールで来られた爽やかな青年がいました。オヨギを見てみるとバタフライはヒジがグニャリと曲がり、平泳ぎはしっかりと足の裏で踏み込めていないものでした。泳法違反も確認できました。クロールも力づくで技術的なものは何一つございません。本人はスイミングスクールから合格認定証や賞状を貰ったからと「上手に出来ている!」と思い込んでいますが、それは所属していたスイミングスクール(*)の営業活動による「みなし認定」の産物であって、世間では全く通用しないものでした。その青年は受け答えがとてもしっかりとしており、爽やかで素直さも兼ね備えた人物でしたので、とても苦しい気持ちになりました。オヨギ以外は完璧で申し分なく良き指導者になりうる品もありました……ただただお別れするのが勿体ないと思い、その晩一緒に焼鳥屋に行き、呑み語り合い、その後お別れしました。
(*)すべてのスイミングスクールがそうではありません。

認定証と本来の実力にギャップがあると後に取り返しのつかないことになります。「みなし認定」が通用するのは所属しているスイミングスクールの中の世界だけです。そもそも「実力をどうつけるか」よりもカタチだけの「認定証」が重要視されているのでは本末転倒です。私は認定証を与えられた時に出る一時的な子供の笑顔よりも、上手くいかない時期を根気強く乗り越え目標をクリアした時の達成感や過程を大切にしています。

当教室では基本的に賞状・認定証というカタチでの泳力認定は行いませんが、定期レッスンでは(子供目線での)技術習得を実感してもらう手法をとる場合はございます。一方で純粋にオヨギを楽しんでいるお子さんにはそれさえもしないことがあります。私がそれよりも優先する事は、頑張って練習を継続している生徒に対して「世に出ても恥じぬオヨギ」を伝えることです。

『認定について』〜3/4〜

執筆:千葉

・・・前回の続き・・・

認定とは本来とても難しいものです。特に指導者本人がいつも見ている生徒の判定を下す場合、情が入ってしまうのを避けて通れません。認定というものは指導者とは別の組織の者,全く別の人間(試験監督)が厳正なる判定を下すのが本来あるべき姿だと思います。(受験の際に普段師事している先生が〇〇中学or高校合格と判定することはありえませんよね)…ですので指導者がその者のサジ加減で「合格あげる〜♪」と合格証や賞状を与えることに若干の違和感を覚えます。

「みなし認定」…これが組織内でエスカレートしていくと合格認定証のばら撒きが行われるようになります。まるで大衆的な洋服店などでどんな服を試着しても「お客様とってもお似合いです〜♡」と同じように、「お客様~♡とっても水泳お上手ですぅ~♪」と認定証をバラ撒きます。合格認定証のばら撒きは紙幣のスーパーインフレの様な現象を引き起こします。合格認定証をばら撒けば確かに安易な手法でたくさんの生徒は笑顔になります。ただし、「ぼく・わたし、水泳が好きだ。」とはなりません(*)。指導者がニコニコしているから釣られてニコニコするのです。親にお菓子などのご褒美がもらえるから喜んでいるのです。その証拠に、みんな平泳ぎやバタフライの(みなし)認定証を貰えば辞めていく子がほとんどですから。本当に好きならず~~っと続けますものね。

(*)「合格認定証をもらえるから好き」「時間があれば泳ぎたいほどに水泳が好き」ここでは後者を指します。

認定証や賞状を渡すことで子供を喜ばせる事は容易いです。ですが、それを狙う為に認定証をバラまいていたのではその効果は数を追うごとに薄れていきます。ただただ教室に通いその時間を過ごすだけで毎月の様に認定証を貰えるのでしたら、それは単なる日常的な出来事に過ぎません。毎日当り前のように白ご飯を与えられ「頑張ったご褒美♪明日も頑張って勉強しよう!!」とはならないのと同じです。私は自分へのご褒美にアメちゃん1粒で満足していた少年時代がありましたが、今はアメちゃんでは満足できずケーキを食べないと自分へのご褒美になりません。皆様もそのような経験はございませんか?

・・・続く・・・

Q&A 第8回

Q 近くのスイミングスクールの一般コースに子供を通わせていますが、なかなか上達しません。何が原因かよくわからないので困っています。マンツーマンレッスン受講希望ですが、希望の時間帯はキャンセル待ちとのことなので検討中です。

A 解決する方法を簡潔に言い表すと「十分な練習時間の中で適切な練習を行う」必要があります。

具体例:

「指導者側がイメージしている目標地点を生徒自身もイメージ出来るように伝えているか」

「生徒側がお話を聞いて、内容をつかむ(子供が出来る範囲で可)」(*1)

「今からやる練習にはどんな狙いがあるのか、そのためにはどんなことに注意・意識して練習するのか生徒側が把握する(子供が出来る範囲で可)」(*2)

「生徒がその“ねらい”やポイントを意識しながら泳ぐ(子供が出来るレベルで可)」(*3)

「指導者が伝えた内容を生徒がある程度理解していて、その方向に向かって生徒が練習出来ているか確認しながら指導する」

「練習の狙い通りに生徒が動いていない場合は、指導者が別の伝え方や練習方法を選択する」


 集団指導ではおそらくマニュアルや集団の平均値に合わせてレッスンを進行していると思います。集団の平均値に合わせた指導が問題ない場合は、上の*1,*2,*3のうちどれかが上手くいっていないのかもしれません。実際にお子さんの練習風景を見たことが無いので断言できませんが、話を聞いている雰囲気があるものの実際には半分以上を理解していない場合もござます。「今日はどんなことに注意して練習したの?」と質問して「・・・???」とまともな返答がない場合は講師の話を聞いている素振りだけかもしれません(自信が無い場合も有る)。「おへそを見た(頭を入れた)」という返答の場合…実際に観覧席から泳ぎを見た時に「そうは言っているものの頭が出ているな」と感じたら、お子さんがその場を取り繕う返事をしているのかもしれません。ですが、この場合は「泳ぐ時には頭を入れる」というオヨギのポイントは記憶にあるということなので、*3の「 “ねらい”やポイントを意識しながら泳ぐ」ということが出来ていないのかもしれません。その場合は泳ぐことに夢中になりすぎていて”頭をつかって考えて練習する”という事が出来ていないのかもしれません。 ”頭をつかって練習する”というのはその場の環境や雰囲気に左右される場合もあります(*4)。泳力を伸ばすことも大切ですが、練習する際の”心構え”が育っていないと、どこかの段階で停滞するケースが多いです。

  当教室に通うことが難しい場合は、ご家族さんとお近くのプールで練習されることをおススメします。実際に読者のお子さんと練習したことが無いので断言できませんが、上記をお子さんに強制しても継続的な上達は難しいと思います。。「この時はどうするの?」と質問を交えながら「今のこういう動きだったよ」と褒めたり否定したりせずに見たままを伝えると徐々に本人さんの意識が変わってくるかもしれません。何度か練習するうちにお子さんのオヨギにほんのわずかな変化がありましたら即座にその時の様子を伝えてあげてください。その時に「今のどうやったの?(幼児さんの場合は…どんなワザを使ったの?)」。答えない場合は「ねぇ~ねぇ~!教えてよ~ズルいよ~自分だけの秘密にしないでよ~~」と迫るとお子さんは何だか照れ臭い、でも自分が特別なワザを持っているのだとちょっと得意げになるでしょう。そういうやりとりの中で オヨギに対する「気づき」があれば、大きな一歩になると思います。(お子さんの性格や親子・指導者との関係にもよります)

 ご家族さんで練習される場合、最初のうちは親子の甘えがあるので集中が続かないと思います。初回の練習日に「60分は練習をしよう!」と意気込むのではなく、まずは幼児・小学低学年であれば10分,高学年は20分の練習から始めてください。もちろん時間が来れば自由(*5)にさせてあげてください。そこから練習回数奇数回ごとに5分ほど練習時間を長くしていくと中・長期的に練習が出来ると思います。ドカンと1発みっちりと練習させて「もう、プールに行きたくない!」と断固拒否されプールに行かなくなると上達はストップします。ちょっとグズるけど練習後の自由時間の期待感からプールに足を運んでくれるだけで「こちらの思惑通り」としましょう。…これは妥協ですが、プールに足を運んでくれれば、満点のうち半数以上を得た・・・つまり“勝ち”ではないでしょうか。

(*4)水泳は力尽くで出来るスポーツではありません。技術的要素の強いスポーツですので、 ”頭をつかって練習する”というのが継続的なレベルアップに必要です。

(*5)公共のプールは自由コースであっても“マナー”が存在します。遊園地などのレジャープールで無い限り他の練習者の邪魔にならないよう右側通行を守って自由にお過ごしください。これは監視員に注意されなくともマナーが存在します。プール監視員は、雇用者によるスタッフ教育が充分でない場合が多く、案山子(カカシ)状態の監視員もいらっしゃいます。公共プールの場合はどんな運営内容であっても行政からの契約金はほぼ一定額と予想され、出来高制で無い限り業務内容を良くしていくという雰囲気が無い管理会社も存在します。ベテランの様に見える監視員であっても“プールを見てるだけ”の方も一定数いらっしゃるので保護者の方の安全管理は必須です。他の方と事故を起こして金銭が絡むトラブルに発展しないようにお気を付けください。

 

水泳の個別指導教室

京都・滋賀

千葉隆礼

Q&A 第7回

Q 近隣のスイミングスクールで平泳ぎを合格し、バタフライ習得中です。現在通っているスクールからコチラの教室へ変えようと思っていますが可能ですか?

A 可能です。ただし、スイミングスクール指定の水着はご利用できない場合がございます。スイミングキャップは無地であればワッペンを外して使用できます。また、過去に通っていたスイミングスクールの指導方針が「子供は合格認定証を貰うと、嬉しい楽しい」重視であれば、毎月のように合格認定書を配布する為に泳力判定基準が大変緩い場合がございます。当教室へ移籍された場合は本来習得すべき平泳ぎやクロール等の基礎動作を身につけてからバタフライの指導をさせていただく場合がございますので、予めご理解いただきたいと思います。
*スイミングスクールによって指導方針に違いがございます。当教室の指導方針をご理解いただいたうえで教室移籍をお考え下さい。

〈当教室の指導方針や内容〉

・ホーム下部→http://swimschool.jp/

・教室案内→http://swimschool.jp/guide/

・受講コース概要→http://swimschool.jp/courseoutline/

上記を中心にご覧いただくと教室の雰囲気を知っていただけると思います。

Q 上記Q&Aの「過去に通っていたスイミングスクールの泳力判定が大変緩い場合」とは具体的にどういうことですか?

A スイミングスクールの方針はそれぞれのスクールにより違いがございます。生徒が水泳に飽きずに楽しくスクールに通ってもらう雰囲気を優先する方針の場合は、進級テストで合格できず停滞させないように、且つ飽きさせないように十分な泳力(*)に達していない場合でも合格認定を下すスクールもございます(当教室ではあらゆる場面で充分な実力が無い状態での合格認定は行いません)。
 反対に合格基準を厳しく設定するスイミングスクールもあるようです。合格したお子さんは十分な泳力を身につけているものの、合格までの長い道のりに嫌気がさして「スイミングスクールに通いたくない」と訴えるケースが多いようです。この場合、子供が水泳に興味を持って、それに向き合ってもらうためには充分な指導力が必要となります。

*息継ぎの際に頭が持ち上がり力づくで何とかクロール25mたどり着いたレベルで合格認定,平泳ぎの際に足の甲で水を打つような動作で合格認定(*2),“けのび”の試験で恐怖心から自力で浮けないのに“けのび”合格,タイム測定の時に1分以内で合格のところを2秒オーバーしたが試験監督が3秒オマケして合格など…実際にこのような合格認定を行っているスイミングスクールが存在することを確認済みです。

2 サッカーでの反則“ハンド”と同じように平泳ぎの際に足の甲で水を打つ動作を行うとルール違反です。参考→競泳競技規則https://www.swim.or.jp/about/download/rule/r_swim20180401_02.pdf

(ご注意)物事には何が正解か不正解か不明瞭な部分が多いにあると思います。場合によっては泳力判定を大変緩く設定して良い方向に導くこともあるかもしれません。ですが、当教室では教育や指導の際に「出来ていない」ものを「出来た体(テイ)」には“しないという選択をしています。「出来ないもの」を「出来るようにする」にはどのような働きかけを行うか、<教育や指導><誠実に>向き合うのが当教室の方針です

〈当教室の指導方針や内容〉

・ホーム下部→http://swimschool.jp/

・教室案内→http://swimschool.jp/guide/

・受講コース概要→http://swimschool.jp/courseoutline/

上記を中心にご覧いただくと教室の雰囲気を知っていただけると思います。

 

水泳の個別指導教室

京都・滋賀

千葉隆礼