バタフライ 長距離・長時間 〜日記15〜

⑤タイミング
〜その2〜

○呼吸のタイミング

息の吐き・吸いは、個々に合う方法があると思います。以下は私の方法です。

 入水〜グライドの途中までは息を止めます(鼻からブクブクを出さない・・・顔が水につかる瞬間は若干ブクブクを出します)。ストロークをして顔が水面に近づいたら鼻から息を出し始めます。そして、顔が水面上に出たら「タッハァッ」と口から息を吸います。まず息を吸うときは“タッ”と英語の「t」の発音のように上顎についた舌を離しながら口から短く鋭く息を吐き、その反動を利用して“ハァッ”と吸います。吸ったらいきなり鼻から多くの息を出さずグライドをします…これを繰り返します。

 肺の半分位の空気を交換する意識で呼吸をします。しんどくなると心理的に息を吸いたくなりますが、人間のカラダは息を吐かないと新しい空気を吸えません。ですので、しんどい時ほど“息を吐く”ことを意識します。一番理想的なのは、今の自分にとって酸素が足りているのか足りないのかを判断できる感覚があるかということです。

 水面ギリギリのところで呼吸をしますので、同時に水を飲んでしまうリスクを背負うことになります。息継ぎをする時にタイミングよく空気の交換をしなければいけませんが、顔を水面上に上げる時は必ず水面を目で見ながら浮上していきます。水面の波のうねりは毎回違いますので、その波の動きをしっかりと見ながらそれに合わせて息継ぎをします。この動作は慣れると目で追う必要は無くなります。練習すれば顔の皮膚感覚のみで水面がどの位置にあるかわかるようになります。先述で、息を吸う際は「タッ」と「まず息を吐く」とありますが、それが水面ギリギリのところで行えるともっとエコな泳ぎになります。ですが、水を吸うリスクが増しますので注意が必要になります。

  

1・2→長めにグライドをとるので少しの間息を止めておく(ブクブクしない)

3 →ゆっくりと鼻からブクブク

4 →鼻から吐く息の量は増していく。肺の空気の半分くらいを入れ替える気持ちで

5 →“タッハァッ”と口で吸う。小さく鋭く口から吐いてその反動で吸う。

5・6→アゴは水面ギリギリあるいは少し水に浸かる程度

7 →顔が着水する時は少し息を吐いても良い

8 →再びグライド。1へ・・・繰り返し・・・

*鼻に水が入りそうになった時は鼻ブクブクを行う。臨機応変に。

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⑤タイミング
〜その1〜

○ストロークとキックのタイミング

・第1キックとストロークのタイミング

入水と同時に第1キックを打っても良いですし、入水してから第1キックを打ってもどちらでも構いません。大切なのは、第1キックを打つ際にストリームラインがとれていることです。ここで抵抗のあるフォームになっていると、キックを打っても気持ちよく進みません。第1キック後が大きく前に進む局面なので注意しましょう。

・第2キックとストロークのタイミング

 掻き始めに第2キック開始を合わせるorプッシュ・フィニッシュに第2キックを合わせる…これらが一般的なタイミングかと思います。長距離バタフライのタイミングは泳ぎやすければ各々のタイミングで良いと思っています。ストロークの際に水をしっかりと捉えていれば、腕でとらえた水の重さを利用して体を持ちあげられますし、タイミングはそれほど意識しなくても影響はないと思います(ストローク技術があれば、それだけでも体を持ち上げることができます)。

   

 以前投稿した第2キックの記事で記述していますが、私の場合は腕で水をとらえて体を持ち上げるのと同様に、ストロークの補助動作として第2キックでも膝先・足の甲で水をとらえる意識を持っています。別の言い方を用いると、ストロークでとらえた水の重さを利用するのと同様に、キックでも水の重さを利用し体を持ち上げています。これは、水球やシンクロナイズド(アーティスティックスイミング)で水を蹴って水面上へ飛び上がる際に、足で水の壁を蹴る感覚と表現するようですが、それと似た感覚かもしれません(長距離バタフライは水球ほど激しい動作ではない)。

 人それぞれのタイミングで良いと思いますが、私の場合はストロークが胸の辺りの時に第2キックが始まります。ストロークがフィニッシュの局面になる時に、第2キックがちょうど終わる…というタイミングです。上記にもあるように、ストロークとキックでしっかりと水をとらえますが、その重い水をとらえる瞬間が同時になるように意識しています。手と足が同じタイミングで水をとらえることが出来ると、楽に体を持ち上げることができます(下図)。

   

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バタフライ 長距離・長時間 〜日記13〜

④リズム・テンポについて
〜その2〜

○キック 

 第1キック・第2キックのどちらかを行う、あるいはどちらも打つが弱く…左記のいずれかで常に同じリズム・テンポで泳ぎましょう。つまりはオーソドックスな1ストローク2キックか、あるいはキックを減らした1ストローク1キックで泳ぐという事です。1ストローク3キックはさすがに息がもたないと思いますが、ご自分の感覚で選択してください。泳いでいる途中でリズムを変えるのは構わないと思いますが、短い時間でコロコロと頻繁に変えない方が良いでしょう。個人的には1ストローク2キックでどちらのキックも弱く打つがオススメです。

   

○ストローク

25mあるいは50mでのストローク数がどれだけなのかを練習中に把握するのが良いでしょう。25mを10ストローク以内で泳げると伸びやかな泳ぎが出来ているはずです(25mプール)。レース中、体力の有る・無しによってストローク数は変化します。その際に、普段の自分のストローク数を知っておけば、フォームの乱れがあるか・ないかをチェックできます。

キャッチ・プル・プッシュ・リカバリーなど、多くの局面でゆっくりな動きをするのが理想です。ゆっくりとストロークが出来ていれば脱力できている、あるいは水をとらえている証拠です。

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記事修正:2020・12・25

バタフライ 長距離・長時間 〜日記12〜

④リズムについて
〜その1〜

 キック・ストローク・呼吸など全ての動作を常に一定のリズムで泳ぐのが長時間泳に向いています。また、スピードを上げたい時はゆっくりと徐々にスピードを上げましょう。(例:50mラップタイムを1周ごとに1秒ずつ上げる)ちょっと煩わしいかもしれませんが、数時間泳ぐことを考えたらコチラのほうが楽に泳げます。

○呼吸

 息継ぎは、毎回呼吸を推奨します。グライドを長めにとりますので、息継ぎを1回飛ばすと息が続かなくなります。

 ターン後の動作も同じく、ドルフィンキックはあまりしない方をお薦めします。キックがとても得意な方は別としてターン後のドルフィンキックをすると体力を消耗しやすいですし、呼吸のリズムも崩れてしまいます。ターン後は、けのびで5m程進んでから再び泳ぎだしましょう。
*ターン後の水中ドルフィンを行う場合は回数を決めたほうが良いでしょう。

 長時間泳いでいると必ずと言って良いほど水を飲みます(私が下手なのか・・・あるいは集中力が途切れるのか・・・)。それは隣の泳者からの波が原因の時もありますし、“エコな”泳ぎを心がけているせいか、いつも水面ギリギリで呼吸するのも1つの要因となります。その様な時も常に冷静でいることが肝心です。慌てず自分の呼吸リズムを取り戻すことに集中しましょう。もちろんそこで止まってしまうと終わってしまいますので(長距離or長時間レースのルールにもよります)、常に変わらない気持ちが大切です。汚い話かもしれませんが、万が一水を飲み込んでしまったらグライド中に水中で咳をするように気管から水を出します。この時は吐く息の量が増えますが仕方の無いことでしょう。我慢をして徐々に元の呼吸リズムに戻るまで泳ぎながら待ちます。「慌てず諦めず、状況に応じた対応をとる事」これを「根性」と言います。

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③息継ぎ

 通常息継ぎの際はアゴを少し前方に突き出すと息継ぎがしやすいですが(図1)、長時間にわたってこの息継ぎをすると、とてつもなく首が痛くなります(頭痛も併発!)。日常の生活にも影響を及ぼす程の痛みになります。息継ぎの時も含め首は楽なポジションをできるだけキープします。軽くアゴを引き、息継ぎの際も前方を見ずに、前方斜め下の水面を見るようにしながら息継ぎをするのがよいでしょう(図2)。

 もちろん状況に応じて首の角度を変えても構いません。アゴを引き気味にして息つぎをするのは、水を飲んでしまうリスクがあります。波が高く、息つぎの途中で水がかかった場合はそれ以上無理に息を吸わず(水が喉に到着する前に吸うのを止める)、顔をつけた時に水中で口に入った水を吐き出します。次の息つぎで図1の方法で確実に息を吸えばリズムも崩しにくいでしょう。

 前に泳いでいる泳者がターンをしてすれ違う際は波が高くなりますので、図2で息継ぎをし、それ以外は図1で息継ぎをする...など自分で工夫しましょう。

*基本的に図2の息つぎで、後は状況に応じたフォームで泳ぎましょう。

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