ブログ・お知らせ

『認定について』〜3/4〜

執筆:千葉

・・・前回の続き・・・

認定とは本来とても難しいものです。特に指導者本人がいつも見ている生徒の判定を下す場合、情が入ってしまうのを避けて通れません。認定というものは指導者とは別の組織の者,全く別の人間(試験監督)が厳正なる判定を下すのが本来あるべき姿だと思います。(受験の際に普段師事している先生が〇〇中学or高校合格と判定することはありえませんよね)…ですので指導者がその者のサジ加減で「合格あげる〜♪」と合格証や賞状を与えることに若干の違和感を覚えます。

「みなし認定」…これが組織内でエスカレートしていくと合格認定証のばら撒きが行われるようになります。まるで大衆的な洋服店などでどんな服を試着しても「お客様とってもお似合いです〜♡」と同じように、「お客様~♡とっても水泳お上手ですぅ~♪」と認定証をバラ撒きます。合格認定証のばら撒きは紙幣のスーパーインフレの様な現象を引き起こします。合格認定証をばら撒けば確かに安易な手法でたくさんの生徒は笑顔になります。ただし、「ぼく・わたし、水泳が好きだ。」とはなりません(*)。指導者がニコニコしているから釣られてニコニコするのです。親にお菓子などのご褒美がもらえるから喜んでいるのです。その証拠に、みんな平泳ぎやバタフライの(みなし)認定証を貰えば辞めていく子がほとんどですから。本当に好きならず~~っと続けますものね。

(*)「合格認定証をもらえるから好き」「時間があれば泳ぎたいほどに水泳が好き」ここでは後者を指します。

認定証や賞状を渡すことで子供を喜ばせる事は容易いです。ですが、それを狙う為に認定証をバラまいていたのではその効果は数を追うごとに薄れていきます。ただただ教室に通いその時間を過ごすだけで毎月の様に認定証を貰えるのでしたら、それは単なる日常的な出来事に過ぎません。毎日当り前のように白ご飯を与えられ「頑張ったご褒美♪明日も頑張って勉強しよう!!」とはならないのと同じです。私は自分へのご褒美にアメちゃん1粒で満足していた少年時代がありましたが、今はアメちゃんでは満足できずケーキを食べないと自分へのご褒美になりません。皆様もそのような経験はございませんか?

・・・続く・・・

『認定について』〜2/4〜

執筆:千葉

・・・前回の続き・・・

私の独立前スイミングスクール所属時の話(*1)ですが、「モチベーションが上がる」「やる気が出る」という認識のもと、「なかなか上手く出来ない」子にテキトーな(*2)レッスンをして”出来ていないまま”合格認定をする「みなし認定」の現場を頻繁に目の当たりにしました。もちろんタイム測定のサバ読みなんて当たり前です。・・・もしかしたら担当講師の様々な事情があったのかもしれませんが・・・驚くのはこの時に喜んだ生徒をみて“私は生徒のやる気を引き出した”と誤認して酔いしれている指導者が少なくない事です。
(*)独立前は複数のスイミングスクールをアルバイト掛け持ちで指導担当していました。
(*)クレームが出ない“それとなく装う”,“それらしきフリをする”指導

当事者は”本当にやる気が出た子供”の真の姿を見たことがないのでしょう。“本当にやる気が出た子供”というのは休みの日になると親にせがんで駄々こねて「プールに行きたい!連れてって!」と言ってプールでオヨギの練習をするはずです。もちろん、この状況まで導くのは非常に難しく、ゲームなどの世に無数に存在する娯楽以上に水泳の魅力を感じさせる必要があります。

合格できないのは可哀想だと主張する指導者も存在します。そう思うなら「この子はどうすれば泳げるようになるだろうか」と勉強して考えて工夫して試行錯誤悩んで落ち込んでああして・こうして・これやってみて・これでどうだろう・少し前進したかな・ん~違うな・こっちはどうだろう…指導者は「認定証のバラ撒き」を行うのではなく、生徒と一緒に悩んで動いて…最後には確かな実力をつけさせるべきです。そのような行動の後に「合格できないのは可哀想だ」と主張するのであれば一理ある言い分だと思います。

・・・続く・・・

『認定について』〜1/4〜

執筆:千葉

指導者が担当する生徒に「泳法習得」と合格の判断を下すのは本来はとても難しい事だと思います。それは普段から接しているためどうしても「情」に左右されがちだからです。また、運営や経営を第1に考えてしまうと「認定」の厳格さを揺るがすものになりうると思います。本来であれば審判がプレイヤーに対して判断を下すように第三者が「泳法習得」の合格認定を下すべきだと思います。私は生徒が短期間で習得しようが、習得までに時間がかかろうが、目の前の評判や利益が危ぶまれても、認定の基準にブレが無いように最大限の注意を払っています。

水泳講師は職人的職業だと思っています。大袈裟かもしれませんが、認定基準のブレがあるということは私や当教室の名が廃るということだとも感じています。もちろん運動神経が良い子もそうでない子も認定基準は同じです。なぜならオヨギや水という環境は絶対的なものですから。水は子供に合わせてくれませんし、水泳というスポーツも子供やその人の特性に合わせてくれません。認定基準がブレないということは、運動神経が良くないお子さんの場合は、私の指導が至らなければ永遠に合格認定出来ないということです。このようにならないためにもどのようにすれば子供が泳げるようになるか日々試行錯誤しながら指導に当たっています。
(*)認定基準に”ブレ”を排除すると、運動神経の良くないお子さんにとっては可哀想だと主張する講師もいます。ですが、出来ないものは出来ないのです。それをどのようにすれば出来るようになるのかというのが指導や練習です。みなし認定をすれば表面上「出来たテイ」となるかもしれませんが、ただそれだけです。手元には認定証があるだけで、実力を掴むことはできません。

補助付きの逆上がりしか出来ない子に「あなたは逆上がり出来ますね。(先生の補助付きだけど)次月頑張るよね?!・・・ま、いいでしょう!逆上がり合格!」としたらこれは合格認定の不正・ウソつきでしょう。せめて合格とするなら「補助付き逆上がり合格」とするべきです。水泳指導の世界において、足の甲や足の爪先で水を蹴る(切る)平泳ぎで合格にしているスイミングスクールの現場をたくさん見てきましたが、子供に「出来ている」とそのようなテイで合格にするのは不誠実です。ストレートな表現でドキッとさせてしまったかもしれませんが、「出来たテイ」とするのは保護者に対しても行うので、保護者も自分の子供が「出来ていない真実」を知らされていません。ですので…やはりそのように思います。

・・・続く・・・

Q&A 第8回

Q 近くのスイミングスクールの一般コースに子供を通わせていますが、なかなか上達しません。何が原因かよくわからないので困っています。マンツーマンレッスン受講希望ですが、希望の時間帯はキャンセル待ちとのことなので検討中です。

A 解決する方法を簡潔に言い表すと「十分な練習時間の中で適切な練習を行う」必要があります。

具体例:

「指導者側がイメージしている目標地点を生徒自身もイメージ出来るように伝えているか」

「生徒側がお話を聞いて、内容をつかむ(子供が出来る範囲で可)」(*1)

「今からやる練習にはどんな狙いがあるのか、そのためにはどんなことに注意・意識して練習するのか生徒側が把握する(子供が出来る範囲で可)」(*2)

「生徒がその“ねらい”やポイントを意識しながら泳ぐ(子供が出来るレベルで可)」(*3)

「指導者が伝えた内容を生徒がある程度理解していて、その方向に向かって生徒が練習出来ているか確認しながら指導する」

「練習の狙い通りに生徒が動いていない場合は、指導者が別の伝え方や練習方法を選択する」


 集団指導ではおそらくマニュアルや集団の平均値に合わせてレッスンを進行していると思います。集団の平均値に合わせた指導が問題ない場合は、上の*1,*2,*3のうちどれかが上手くいっていないのかもしれません。実際にお子さんの練習風景を見たことが無いので断言できませんが、話を聞いている雰囲気があるものの実際には半分以上を理解していない場合もござます。「今日はどんなことに注意して練習したの?」と質問して「・・・???」とまともな返答がない場合は講師の話を聞いている素振りだけかもしれません(自信が無い場合も有る)。「おへそを見た(頭を入れた)」という返答の場合…実際に観覧席から泳ぎを見た時に「そうは言っているものの頭が出ているな」と感じたら、お子さんがその場を取り繕う返事をしているのかもしれません。ですが、この場合は「泳ぐ時には頭を入れる」というオヨギのポイントは記憶にあるということなので、*3の「 “ねらい”やポイントを意識しながら泳ぐ」ということが出来ていないのかもしれません。その場合は泳ぐことに夢中になりすぎていて”頭をつかって考えて練習する”という事が出来ていないのかもしれません。 ”頭をつかって練習する”というのはその場の環境や雰囲気に左右される場合もあります(*4)。泳力を伸ばすことも大切ですが、練習する際の”心構え”が育っていないと、どこかの段階で停滞するケースが多いです。

  当教室に通うことが難しい場合は、ご家族さんとお近くのプールで練習されることをおススメします。実際に読者のお子さんと練習したことが無いので断言できませんが、上記をお子さんに強制しても継続的な上達は難しいと思います。。「この時はどうするの?」と質問を交えながら「今のこういう動きだったよ」と褒めたり否定したりせずに見たままを伝えると徐々に本人さんの意識が変わってくるかもしれません。何度か練習するうちにお子さんのオヨギにほんのわずかな変化がありましたら即座にその時の様子を伝えてあげてください。その時に「今のどうやったの?(幼児さんの場合は…どんなワザを使ったの?)」。答えない場合は「ねぇ~ねぇ~!教えてよ~ズルいよ~自分だけの秘密にしないでよ~~」と迫るとお子さんは何だか照れ臭い、でも自分が特別なワザを持っているのだとちょっと得意げになるでしょう。そういうやりとりの中で オヨギに対する「気づき」があれば、大きな一歩になると思います。(お子さんの性格や親子・指導者との関係にもよります)

 ご家族さんで練習される場合、最初のうちは親子の甘えがあるので集中が続かないと思います。初回の練習日に「60分は練習をしよう!」と意気込むのではなく、まずは幼児・小学低学年であれば10分,高学年は20分の練習から始めてください。もちろん時間が来れば自由(*5)にさせてあげてください。そこから練習回数奇数回ごとに5分ほど練習時間を長くしていくと中・長期的に練習が出来ると思います。ドカンと1発みっちりと練習させて「もう、プールに行きたくない!」と断固拒否されプールに行かなくなると上達はストップします。ちょっとグズるけど練習後の自由時間の期待感からプールに足を運んでくれるだけで「こちらの思惑通り」としましょう。…これは妥協ですが、プールに足を運んでくれれば、満点のうち半数以上を得た・・・つまり“勝ち”ではないでしょうか。

(*4)水泳は力尽くで出来るスポーツではありません。技術的要素の強いスポーツですので、 ”頭をつかって練習する”というのが継続的なレベルアップに必要です。

(*5)公共のプールは自由コースであっても“マナー”が存在します。遊園地などのレジャープールで無い限り他の練習者の邪魔にならないよう右側通行を守って自由にお過ごしください。これは監視員に注意されなくともマナーが存在します。プール監視員は、雇用者によるスタッフ教育が充分でない場合が多く、案山子(カカシ)状態の監視員もいらっしゃいます。公共プールの場合はどんな運営内容であっても行政からの契約金はほぼ一定額と予想され、出来高制で無い限り業務内容を良くしていくという雰囲気が無い管理会社も存在します。ベテランの様に見える監視員であっても“プールを見てるだけ”の方も一定数いらっしゃるので保護者の方の安全管理は必須です。他の方と事故を起こして金銭が絡むトラブルに発展しないようにお気を付けください。

 

水泳の個別指導教室

京都・滋賀

千葉隆礼

Q&A 第7回

Q 近隣のスイミングスクールで平泳ぎを合格し、バタフライ習得中です。現在通っているスクールからコチラの教室へ変えようと思っていますが可能ですか?

A 可能です。ただし、スイミングスクール指定の水着はご利用できない場合がございます。スイミングキャップは無地であればワッペンを外して使用できます。また、過去に通っていたスイミングスクールの指導方針が「子供は合格認定証を貰うと、嬉しい楽しい」重視であれば、毎月のように合格認定書を配布する為に泳力判定基準が大変緩い場合がございます。当教室へ移籍された場合は本来習得すべき平泳ぎやクロール等の基礎動作を身につけてからバタフライの指導をさせていただく場合がございますので、予めご理解いただきたいと思います。
*スイミングスクールによって指導方針に違いがございます。当教室の指導方針をご理解いただいたうえで教室移籍をお考え下さい。

〈当教室の指導方針や内容〉

・ホーム下部→http://swimschool.jp/

・教室案内→http://swimschool.jp/guide/

・受講コース概要→http://swimschool.jp/courseoutline/

上記を中心にご覧いただくと教室の雰囲気を知っていただけると思います。

Q 上記Q&Aの「過去に通っていたスイミングスクールの泳力判定が大変緩い場合」とは具体的にどういうことですか?

A スイミングスクールの方針はそれぞれのスクールにより違いがございます。生徒が水泳に飽きずに楽しくスクールに通ってもらう雰囲気を優先する方針の場合は、進級テストで合格できず停滞させないように、且つ飽きさせないように十分な泳力(*)に達していない場合でも合格認定を下すスクールもございます(当教室ではあらゆる場面で充分な実力が無い状態での合格認定は行いません)。
 反対に合格基準を厳しく設定するスイミングスクールもあるようです。合格したお子さんは十分な泳力を身につけているものの、合格までの長い道のりに嫌気がさして「スイミングスクールに通いたくない」と訴えるケースが多いようです。この場合、子供が水泳に興味を持って、それに向き合ってもらうためには充分な指導力が必要となります。

*息継ぎの際に頭が持ち上がり力づくで何とかクロール25mたどり着いたレベルで合格認定,平泳ぎの際に足の甲で水を打つような動作で合格認定(*2),“けのび”の試験で恐怖心から自力で浮けないのに“けのび”合格,タイム測定の時に1分以内で合格のところを2秒オーバーしたが試験監督が3秒オマケして合格など…実際にこのような合格認定を行っているスイミングスクールが存在することを確認済みです。

2 サッカーでの反則“ハンド”と同じように平泳ぎの際に足の甲で水を打つ動作を行うとルール違反です。参考→競泳競技規則https://www.swim.or.jp/about/download/rule/r_swim20180401_02.pdf

(ご注意)物事には何が正解か不正解か不明瞭な部分が多いにあると思います。場合によっては泳力判定を大変緩く設定して良い方向に導くこともあるかもしれません。ですが、当教室では教育や指導の際に「出来ていない」ものを「出来た体(テイ)」には“しないという選択をしています。「出来ないもの」を「出来るようにする」にはどのような働きかけを行うか、<教育や指導><誠実に>向き合うのが当教室の方針です

〈当教室の指導方針や内容〉

・ホーム下部→http://swimschool.jp/

・教室案内→http://swimschool.jp/guide/

・受講コース概要→http://swimschool.jp/courseoutline/

上記を中心にご覧いただくと教室の雰囲気を知っていただけると思います。

 

水泳の個別指導教室

京都・滋賀

千葉隆礼