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~反復と慣れ~
何度も何度も何度も何度も、浮いて~立ち~浮いて~立ち~、生徒の腕や指を見ると浮かび上がっていたスジがボンヤリとしてくる。慣れてきたころだ。このあたりで子供に提案する。
『両手・両足についている浮き具のどれか1つを選んで外してごらん』
すると足につけている1つを外した。その状態で…
何度も何度も何度も何度も、浮いて~立ち~浮いて~立ち~、生徒の腕や指を見ると浮かび上がっていたスジがボンヤリとしてくる。慣れてきたころだ。このあたりで子供に提案する。
『両手・片足についている浮き具のどれか1つを選んで外してごらん』
すると腕につけている1つを外した。ちょうど右腕と左足の対角線上に浮き具を装着した恰好だ。その状態で何度も練習を重ねる。そして…
『どれを残す?』
すると、片腕の浮き具を残して両足の浮き具は完全に外れた。
今度は浮いて~立ち~、これを5度。余裕を感じる。
『やってみるぅ?』
生徒は自らの手で最後の補助具を外した。プールサイドには外した補助具が積みあがっている。
再び子供の指にスジが浮かびあがる。床を踏み切るのに緊張が走る。
〈浮いた!〉
だが、“立ち”に姿勢を変化させる瞬間に片足立ちになってしまった。体の硬直と慌てた気持ちが混ざって狙い通りの動きが出来なかった。
『水の中で立つのは簡単ではないんだ。もっと時間をかけてじっくりと両手両足をお腹に近づけるんだ。両足がヘソの前に来るのをジックリと見届けてから最後に顔を上げるんだ。』
この後、目指す動作を表現するまでに多くの時間は必要なかった。直前までの反復練習で「理解した」から「体で覚えた」まで体得していたからだ。
つづく