バタフライ 長距離・長時間 〜日記11〜

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③息継ぎ

 通常息継ぎの際はアゴを少し前方に突き出すと息継ぎがしやすいですが(図1)、長時間にわたってこの息継ぎをすると、とてつもなく首が痛くなります(頭痛も併発!)。日常の生活にも影響を及ぼす程の痛みになります。息継ぎの時も含め首は楽なポジションをできるだけキープします。軽くアゴを引き、息継ぎの際も前方を見ずに、前方斜め下の水面を見るようにしながら息継ぎをするのがよいでしょう(図2)。

 もちろん状況に応じて首の角度を変えても構いません。アゴを引き気味にして息つぎをするのは、水を飲んでしまうリスクがあります。波が高く、息つぎの途中で水がかかった場合はそれ以上無理に息を吸わず(水が喉に到着する前に吸うのを止める)、顔をつけた時に水中で口に入った水を吐き出します。次の息つぎで図1の方法で確実に息を吸えばリズムも崩しにくいでしょう。

 前に泳いでいる泳者がターンをしてすれ違う際は波が高くなりますので、図2で息継ぎをし、それ以外は図1で息継ぎをする...など自分で工夫しましょう。

*基本的に図2の息つぎで、後は状況に応じたフォームで泳ぎましょう。

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バタフライ 長距離・長時間 〜日記10〜

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○第2キック

第1キックの記事では、第2キックを打つ前は足を水面近くにキープすることが大切と記しましたが、第2キックはその水面近くからやや深めに向かって蹴ります。これは一般的なバタフライと比べて大きめのキック幅になります。この水面近くから深くまで蹴り込んでいくキック動作を利用しながら上半身を水面上に持ち上げます(シーソーのイメージ)。競泳では、第2キックを「小さく鋭くキックする」と広く言われていると思いますが、長時間ゆっくりと泳ぐ際には「大きく・ゆっくり・深くまで」を意識して蹴り下ろします。第1キック時に頭を水中深くまで入れると腰が上がりやすくなりますが、第2キックはその反対で足を水中深くまでキックすることによって上半身を上げていきます。

一般的なバタフライのタイミングで広く言われているのが「ストロークのプッシュ・フィニッシュ動作に第2キックのタイミングを合わせる」・・・この動作を行う場合、第2キックを打つ前に両足を水面近くに粘り強くキープさせる必要があります。ですが、長時間バタフライではそこまで意識しすぎなくても良いかもしれません。私は両腕で掻く時間と第2キックを打つ時間が同時になるように心がけています。手・足で水を動かす時間を合わせるということです。

楽なリカバリー動作を行うには大切な事があります。それは、足でしっかりと水をとらえることです。ストロークで水をとらえる時に強引にガッと素早い動きをすると、うまく水をとらえることができません。長時間バタフライの第2キックも同じ考えを用いて行います。膝先・足の甲で水の重さを感じながら、蹴り始めはゆったりとした動きを心がけます。膝先から足の甲で“水の塊”をとらえていることをイメージし、その重い水の塊を利用して上半身を持ち上げます。ストロークでは水の重さを腕に感じると思いますが、キックでも同様に足で感じる水の重さを利用すると少ない力で上半身を持ち上げる事が出来、楽なリカバリー動作を行うことができます(下図)。これらを踏まえると長時間バタフライではフィニッシュと第2キックのタイミングを合わせることが最重要ではなく、しっかりと水をとらえることが重要だということがわかると思います。

長時間バタフライに適しているタイミングは重い水の塊(重さ)をとらえたとき、つまりプル(胸の辺り)と第2キックの蹴り始めを合わせたほうがより楽に上半身を持ち上げることができ、リカバリー動作が楽に行えます。別の言い方をするとストローク・キックともに重い水をとらえてそれぞれの腕・足を動かすタイミングを合わせます。

第2キックはゆっくりと大きめの幅で行いますので、プッシュ・フィニッシュを行うときに、第2キックは蹴り終わりの段階になります(下図)。第2キックで唯一少し力を入れるとしたら、膝が伸びる瞬間のみです(加速度的にキックをするので)。

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記事修正:2020・12・25,2023・1・3

バタフライ 長距離・長時間 〜日記9〜 

②キック

〜全体のポイント〜

強く鋭くキックをするよりも、水をグーッとらえる・・・あるいは足の甲で水をしっかりと当てるようにキックをします。キックは水を長めにとらえてすぐにはリリースしません。鋭くキレのあるキックはさほど必要無く、長距離クロールと同じでキックは回数を減らすor弱く打つということが大切になります。私がオススメするのはキックは一般的なものと同じく、1ストローク中2回ともキックを打ちますが、どちらも比較的弱く打つことです。ただし、各々の泳ぎやすい方法で構いません。

長時間バタフライでのキックの役割は、第1キックが推進・体重移動、第2キックが楽なリカバリーを行うための補助的役割(浮上の主役はストローク)と位置づけて下さい。第2キックは楽なリカバリーができていればそれ以上強く打たなくて構いません。力を込めるよりかはキック幅を大きくとるのが良いでしょう。泳いでいて少しスピードを上げたい時は第1キックを少し強めに行います。

○第1キック

ご存知の通り、“うねり”を伴うキックです。強く打つ必要はありませんが、キックの最後の瞬間(膝が伸びきる瞬間)のみ足首のスナップを効かせて推進を得ても構いません。第1キックは体重を前方へ乗せる動作を伴い、ダウンキックの反動で腰が水面上に出てくるのが理想です。水面下の上層で体を維持し泳ぐのが理想でしょう。

第1キック蹴り下げでは水面上に腰が出て、蹴り上げ時には逆に腰をやや反っていきます(下図)。第1キックで蹴り上げた足がグライド中(第2キックを打つ前)に沈んでしまわないように注意しましょう。アップキック後すぐに足が沈んでしまうと第2キックのキック幅が狭くなってしまいます。第2キックを行う際、弱い力で体を持ち上げようとするなら、キック幅を大きくする必要があります。水面から水中まで足を下ろした反動で上半身が持ち上がるようなイメージです。別の言い方をすると体を反らせながらグライドをし、粘りをもたせながら両足を水面付近にキープさせ、第2キックに向けてのエネルギーの“ため”をつくります。

水没に関するルールを守って泳ぐ場合は第1キックの蹴り上げ時、水面上に足(足首から先、かかと、つま先など)を出したまま、その状態をキープして泳ぐ必要があります。注意していただきたいのが足が水面上に出た状態で強く力を込めたキックしないことです。水面上で力を込めたキックをしてしまうと、水面をたたいてしまい派手なしぶきとは裏腹に効果的に上半身を持ち上げることができません。全体的に弱くキックを打つ・・・あるいは、徐々にパワーを加えて加速度的にキックを打つと派手なしぶきを上げることなく水をしっかりととらえて蹴りこむことが出来るでしょう。

長時間バタフライでのキック動作は補助動作だと位置づけておきましょう。基本的に推進を得るのは、グライド時の重心移動を利用します。『イルカとび』と同じ要領です。

*重心移動についての補足
息継ぎの時は顔を水面上へ出し、その時に足が下がっていますので重心は後ろへ移動します。そこから入水しグライドに移った時に腰が水面に上がって前のめりになることで重心が前に移動します(一番上の図)。その重心の移動を利用して前に進みましょう。この動作はちょうど子供の時に遊んだシーソーと似ています。

次回へつづく→http://swimschool.jp/2017/05/29/longdistancebutterfly10/

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バタフライ 長距離・長時間 〜日記8〜 

○入水

 肩の延長線上に指先(中指・人差し指)から入水するのが良いでしょう。もちろん大きなしぶきを立てながら入水するのは良くありませんが、長時間バタフライの場合スピードは意識しなくても良いですので多少しぶきが立つくらいは気にしなくても構いません。勢い良く入水するよりも、前方の水面にやさしく手のひらを置き、そこから体重を乗せるような意識を持ちます。

○グライド

 疲れていない時に限りますが、一番気持ちの良い局面です。イメージはイルカ飛び!!
キャッチ〜リカバリーが前進するための準備局面だとしたら、グライドはその動作を充分に活かす局面です。自転車で坂道を苦労して上ると、下りは自転車をこがなくても気持ちよく前に進むことができます。グライドはまさに坂道の下りの部分にあたります。

 入水したら、肘を伸ばしてグライド動作を行います。うねりは少し大きめに行いますので、深めに潜ったら前方のやや上方に向かって上がっていきます(上図)。呼吸に無理の無い範囲内で長めにグライドをしましょう。ただ、呼吸はリズムが肝心です。必要以上のグライドはリズムが崩れて疲労を感じやすくなります、注意しましょう。水温が低いところで泳ぐ場合は、グライドを長くしすぎると体温の低下につながりますので注意が必要です。
*競泳では体の完全水没に注意。競泳競技規則で泳ぐとするならばグライド時はやや背中やヒザを反らせながら両足を水面上に上げるのが良いでしょう。足の皮膚感覚を頼りに体の一部が水面上に出ているか確認しながら泳ぎます。

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バタフライ 長距離・長時間 〜日記7〜 

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○リカバリー

前回記事では肩が水面上に上がってから腕を抜き上げるという内容でした。一般的には水面に対して低く水平に腕を戻すのが理想とされていますが、長時間バタフライではオデコの上に向かって弧を描くように戻しても構いません。人によってはコチラのほうが楽に感じる方もいます。この際、手首から先を脱力してリカバリーをしましょう。

親指を下に向け手の甲を前方に向けたままの状態でリカバリーすると(下図)、腕をひねる動作が必要になり肩への負担となります。

長時間・長距離バタフライでは親指は前方(手の甲は真上に)に向けると良いでしょう(下図)。しっかりと掻けていれば浮上時間が長くなるので、意識して素早く戻す必要はありません。肩の柔軟性があるほど楽にリカバリーが出来ます。フィニッシュ後にフッと脱力してリカバリーをしましょう。

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このシリーズの1話から読む→http://swimschool.jp/2017/05/03/no1/